モンキーハンティングで遊ぼう
monkey
作成日:2025/3/16

突然ですが、モンキーハンティングと呼ばれる問題を知っていますか?

簡単な力学の知識があれば理解できる有名で面白い問題です。

今回は実際にグラフで遊びながらモンキーハンティングについて考えてみましょう!

モンキーハンティングとは

モンキーハンティングでは、以下のように木にぶら下がるサルを銃で狙う状況を考えます。

monkey hunting

(残酷ですがただの思考実験だと割り切ってください …)

ただし、サルは銃声が聞こえたらすぐに手を離して落下するとします。
(ここでは音速などを無視して、発砲するのと同時に手を離すという理想的状況を考えます)

このとき、どこを狙えばサルに当たるのか?というのがモンキーハンティングという問題です。

直感的には銃弾が重力で落ちるのを考慮して、サルの少し上を狙えば良いような気がするのではないでしょうか?

では実際に実験してみましょう!

遊んでみよう

銃弾

サル

発射角度
発射速度

(本来は地面に落ちる可能性もありますが、今回は無視しました)

何回か実験してみるとサルに当たる条件がわかったのではないでしょうか?

結果を言ってしまうと、サルに当てるためにはサルをそのまま狙えば良いのです。発射速度は全く関係ありません。サルをそのまま狙うような発射角度にさえすれば、必ず当たります。

直感に反する人が多いのではないでしょうか?
なぜこのような結果になるのか考えてみましょう。

そのまま狙えば良い理由

数式を用いた証明と、自由落下系を考える証明の2つを紹介します。

数式を用いた証明

銃弾とサルの加速度を、鉛直上向きを正方向として a銃弾, aサルa_{\textrm{銃弾}},\ a_{\textrm{サル}} 、重力加速度を gg とおきます。

この時、銃弾とサルはともに重力以外の力を受けないので

a銃弾=aサル=ga_{\textrm{銃弾}}=a_{\textrm{サル}}=-g

となり、yy 軸方向には等加速度直線運動になります。

よって、時刻 tt における銃弾とサルの yy 座標は、等加速度直線運動の公式より

y銃弾=(v0sinθ)t12gt2yサル=h12gt2 \begin{align*} y_{\textrm{銃弾}}&=(v_0\sin{\theta})\,t-\frac{1}{2}gt^2\\ y_{\textrm{サル}}&=h-\frac{1}{2}gt^2 \end{align*}

となります。(もちろん加速度を時間で2回積分しても良いです)

xx 軸方向においては銃弾は速度 v0cosθv_0\cos{\theta} の等速度直線運動をしているので、銃弾とサルの xx 座標が等しくなる時刻 t1t_1 は、

(v0cosθ)t1=r  t1=rv0cosθ(v_0\cos{\theta})\,t_1=r\ \Leftrightarrow \ t_1=\frac{r}{v_0\cos{\theta}}

です。(サルと銃弾の初めの水平方向の距離を rr としました)

この時 yy 座標も等しければ衝突します。その条件は、

(v0sinθ)t112gt12=h12gt12(v_0\sin{\theta})\,t_1-\frac{1}{2}gt_1^2=h-\frac{1}{2}gt_1^2
 tanθ=hr\Leftrightarrow\ \tan{\theta} = \frac{h}{r}

となります。これは、サルをそのまま狙うような発射角度にすれば当たることを示します!

自由落下系を考える証明

先ほどまでの計算をしなくても、銃弾やサルと共に自由落下する観測者から見ると、簡単に理由がわかります。

この観測者にとっては銃弾とサルは重力の影響を受けていないように見えます。(エレベーターが落下した場合、内部の物が無重力状態に見えるのと同じです!)
サルは静止して、銃弾は発射した方向に等速直線運動をします。

よって、銃がサルの方向を向いていた時にのみ当たるのです。

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